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2009.01.10~寝台特急の旅 3

九州横断特急3号は別府始発である。
大分からは豊肥本線(阿蘇高原線)に入り、阿蘇のカルデラを抜け、熊本、八代を経由して肥薩線(えびの高原線)の人吉まで行く。
別府を11:42発、人吉16:23着けっこう長旅をする列車である。
今回は熊本まで約3時間の旅である。

ホームには既に乗車待ちの列ができている。
指定を取ってあるから問題はないのであるが、思っていたより混みそうである。
やがて赤い車体の九州横断特急が入線してくる。

九州横断特急・大分
九州横断特急・大分20090111

2両編成の短い特急列車である。
渋めの車体イメージに「ワンマン」の文字がちょっと浮いている感じでもある。
先頭車両が自由席、指定席は後方の車両である。
撮影をしてから乗るので、とりあえず先頭車両に乗り込もうと思っていたのであるが、思いのほか乗客が多いので、余裕で後方車両の乗車口へと移動する。
車内に乗り込み、自分の座席を確認しているうちに発車である。
慌てて窓の外のKさんに手を振る。

僕の座席は後ろから2番目である。

九州横断特急・車内
九州横断特急車内20090111

席を確認していると、隣りから「あぁ、来ちゃった。」とポツリ。
やや年配のご夫婦であるが、座席が通路を挟んで離れてしまっているようである。
誰も来なかったら、一緒に座ろうと思っていたのだろう事は容易に推察できた。
だが、いきなり来ちゃった・・・は無いだろう。
ご主人のほうが僕の隣りに座る。
シートをリクライニングさせ浅めに座り、投げ出した足を組んで座っている。
もちろんご本人は自然体なのだろうと思うが、あまりフレンドリーな雰囲気では無い。

車内アナウンスが流れる。
女性の乗務員の案内によれば、この後検札があるようだ。
ワンマンカーなのかと思っていたが車掌が乗っているようである。
すぐに来るだろうと思っていたのだが、なかなか来ない。
心地よいディーゼルエンジンの調べに、ついウトウトする。
結局、航空会社の客室乗務員風のお姉さんがやってきたのは大分を発車後1時間ほど過ぎてからであった。
車内販売の事を尋ねると検札が終わったら始めますとの回答だった。
今朝から何も食していないので、さすがに空腹である。
とりあえずデッキのほうへ行ってみる事にした。
席を立ち、すみませんと声をかけると、隣りのご主人は露骨に面倒くさそうな顔をして足をどける。
なんだか解らないが、この人は東京の人かもしれないな。(笑)

デッキへ行ってみると自由席はかなり立っている人が見えるし、デッキにも乗客が多数居る。
目的の車内販売のワゴンが布をかけた状態で置いてあった。
近くに3人ほどの人が居る。
仲間らしくなにやら雑談をしつつ、やはりワゴンが気になるらしい。
言葉遣いは大阪より西と思われるイントネーションである。
しばらく待っていると先ほどの女性の乗務員さんがデッキにやってくる。
ひょっとしてこちら(ワゴン)をお待ちですか?と声をかけられたので、そーでーす・・・と返事をする。
クスッと小さく笑った後、もう少しだけお待ちくださいと言い残して乗務員室へと入る。
程なく乗務員室から出てきたお姉さんによって車内販売が開始される。
どうやら、ひとりでいろいろな仕事をしないといけないらしいので大変である。
さきほどの3人組に順番を譲る。
ひとり目が弁当は何があるか尋ねているので、一緒に説明を聞く。
当然、3人の後に並ぶつもりでいたのだが、2人目のお兄さんが、あっ、どうぞ・・・と手振りを交えつつ譲ってくれる。
小さな親切であったが、この時はとても嬉しかった。
東京の人と違い、地方の人は人情味があって親切である。

さて、ようやく弁当を手に入れた。
僕の席は列車の最後尾に近い位置である。
席に戻ろうとしたが後方デッキからの景色が気になる。
九州横断特急の先頭車両は連結運転ができる構造になっていて、運転室は左側の半分だけである。
後方に流れていく景色が良く見えるのである。

後方デッキから
後方デッキから20090111

ひとしきり後方の景色を楽しみ、席に戻る。
さっそく弁当をいただく、自慢ではないが僕はいつもお腹を空かせているのである。

おてもやん
おてもやん120090111

おてもやん220090111

九州横断特急は軽快に走行する。
阿蘇山に向かって上り勾配なのか、けっこう気合を入れて走っているかのようでもある。
阿蘇山は巨大なカルデラを持つ火山である。
もともとの大きな火山が大噴火し地下のマグマを一気に放出し内部が空洞化したため山体が大きく崩れ大きな窪みであるカルデラが形成される。
阿蘇のカルデラは非常に大きく、カルデラ内に町があって鉄道が通っているのである。
崩れる前の山の縁、つまりおわんの縁のような部分にあたる外輪山に沿って上り勾配が続く。
やがて上り勾配が終わり、今度はゆっくりと下り勾配になる。
進行方向右側に展望が開ける。

カルデラ展望
カルデラ展望20090111

阿蘇の大カルデラを眼下に見下ろし、さらに向こうには反対側の外輪山が見える。
勾配を下りきると、列車はカルデラの中を走って行く。

阿蘇山はカルデラを形成した後も火山活動を続けていて、カルデラの中央に小さな火山(中央河口丘)を持つ。
小さいといっても1000メートル級の峰が連なり、阿蘇五岳と呼ばれる。
いまでも火山活動を続けているのは中岳である。
進行方向左側に阿蘇五岳が見えてくる。
雪に覆われた斜面は厳しい表情を見せる。

阿蘇五岳
阿蘇五岳20090111

快調に景色が後方へと流れていく。

後方デッキ・カルデラ内
後方デッキカルデラ内20090111

遠くの外輪山に風力発電の風車が見える。

風車
風車20090111

赤水に到着、この駅で反対側の列車と交換がある。

赤水駅
赤水駅20090111

列車交換
列車交換20090111

阿蘇のカルデラに入ってだいぶ進んだが、そろそろカルデラの端に近いあたりであろうか。

赤水付近のカルデラ
カルデラ赤水付近20090111

赤水を過ぎると、次第に周囲が狭まり山の中の雰囲気となってくる。
やがて線路は再び下り勾配となる。
後方に阿蘇五岳を見送りつつ、次の停車駅である立野を目指す。

後方デッキ・阿蘇五岳
後方の阿蘇五岳20090111

立野へ向かう線路は下り勾配がきつく、手前で一度スイッチバックが行われる。
折り返し地点に到着した列車は運転方向を変えるため一度停車する。
運転手が車内を歩いて反対側へと移動すると、先ほどとは逆方向に動き出す。

スイッチバック
スイッチバック20090111

上の画像で、左側に向かう線路が、いままで走ってきた線路であり、進行方向を変えてこれから向かう立野駅が右側となる。
再び斜面を下り、右にカーブすると立野駅へと進入する。

立野駅に進入
立野進入20090111

女性乗務員が、ここで4分ほど止まりますので良かったら(外へ)どうぞと案内してくれる。
ホームに降りる。

立野駅にて
立野着20090111

たての20090111

立野から再び進行方向が変わる。
なので、あたかも終着駅のように、線路がこの先で途絶えている。

線路の終わり
線路の終わり20090111

周囲にはこれといって何も無いが、鉄道が建設された当時は重要な交通の要所であったと推察する。
大分で撮っていないので列車のロゴなどを撮る。

ロゴ
ロゴ20090111

人吉行き20090111

ゆっくり車内に戻り、ドアの外を覗こうとしたら、いきなりドアが閉まった。
これといって合図も無かったので驚く。
もう少し戻るのが遅かったら・・・・ちょっと冷や汗ものであるが、その場合はきっと声くらいかけてくれたのであろうと勝手に納得する。

先ほどは立野駅に向かって左側の線路から駅に侵入したのだが、今度は立野駅に向かって右側の線路を走って立野を後にする。

立野発
立野発20090111

まだまだ急な勾配を下っていく。

傾斜の下
斜面の下20090111

斜面を下りきると急に景色が変わってくる。
平野部に入れば熊本市の郊外である、それまでの山岳路線からは趣が一変する。
途中の駅で降りる人も増えてくる。
窓の外をボーっと眺めていたら、突然目の前に人が寄ってきて、窓越しにこちらを覗き込む。
一目見て、明らかに知人を見つけたの図・・・であるが、僕には心当たりが無い。
とりあえず首をかしげて誰だか解らない・・・のジェスチャーを返す。
見知らぬ人は、こちらを振り返りつつ怪訝な様子で離れていく。
僕には余程のそっくりさんがいるとお見受けした。

水前寺まで来るとと熊本はもうすぐである。
通路を隔てた向こうの席から女性の乗客が降りていく。
配置を確認しておこう。
進行方向右側の席の窓側に僕が座っている。
隣りはやや年配のご夫婦のご主人、通路を隔てて進行方向左側の席の通路がわに奥さま。
そして隣りの窓がわに水前寺で降りた女性が座っていた。
こちらの席では隣人との会話が全く無かったのであるが、あちらの席では女性どうしで会話が弾んだらしい。
「では良い旅を」と言い残し、女性客は列車を降りる。
隣りが空いたということで、僕の隣りのご主人が席を移る。

14:49定刻通り、九州横断特急3号は熊本駅に到着する。
ここ熊本駅では列車の進行方向が変わる。
乗客に座席の方向転換を促すアナウンスが入る。
隣りのやや年配のご夫婦は、この先も乗車されるようで、座席の向きを変えていた。
ご主人の顔色は、先ほどまでとはずいぶん違って見えた。
どうやら奥さまと離れた席になった事が、よほどご不興だったのだろうと勝手な邪推をする。

九州横断特急3号とは、ここ熊本でお別れである。
女性乗務員も交代なのか、別の乗務員となにやら話をしている。

熊本駅にて
九州横断特急・熊本20090111

くまもと20090111

案内板熊本20090111

通路を歩いて行くと、建設中の九州新幹線の高架が見える。

九州新幹線の高架
九州新幹線高架20090111

とりあえず改札を出ることにする。
東京を出てから、いままで一度も駅の改札から外に出ていない。
とりあえずお土産を買い、食料を調達しておかなければならない。
熊本からは再び寝台特急の旅が始まるのである。


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僕にとってブログとは簡易ホームページで、手軽に情報をアップできる道具のように思っています。

好奇心旺盛で行動力があり、いつもお腹を空かせてます。(笑)
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そういった諸々のネタを発信していければと思っています。
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